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MDPI Japanの研究者向けガイド記事40本をテーマ別に読む

  • 2 日前
  • 読了時間: 11分


論文を書く。投稿する。査読コメントに対応する。研究データを公開する。学会に参加する。そして、公開した研究成果を必要な人へ届ける。


研究活動の中では、その時々で異なる実務や判断が必要になります。


MDPI Japanではこれまで、研究者向けの記事として「研究者のための論文出版ガイド」「研究者のための実務ガイド」「日本の研究者のための英語論文の伝え方」「研究者のための研究発信ガイド」の4シリーズを公開してきました。それぞれ全10回、合わせて40本になります。


扱ってきたテーマも、英語論文の構成、投稿先の選び方、査読、Response to Reviewers、AI、共著、研究データ、学会、プロフィール、SNS、プレスリリース、引用など、広範囲にわたりますが、「投稿前に何を確認すればよいのか」「査読コメントへの対応に困っている」「研究成果をもっと届けたい」など、必要になる情報は研究活動の段階によって変わってくるのではないでしょうか。


そこで今回は、これまでの記事をシリーズ別ではなく、「いま何をしたいか」から探せる形で紹介します。



これから論文を書く、投稿を準備している


英語論文を書き始めるときには、「英語として正しいか」だけでなく、研究の論理が読者に伝わる形になっているかを考える必要があります。


「英語論文が『伝わらない』とき何が起きているのか」「日本語の論理と英語の論理の違い」では、英語表現以前の構成や論理について取り上げました。


タイトルや要旨を考える段階では、「タイトルとアブストラクトが評価を左右する理由」や、研究発信ガイドの「『学術的な文章』と『短く伝える文章』は何が違うのか」も参考になります。


完成に近づいたら、「英語論文投稿前に最低限確認したいチェックポイント」で投稿前の確認を。「英文校正の限界と本当の使いどころ」では、英文校正に何を期待でき、どこからは著者自身が判断する必要があるのかを扱っています。


共著論文であれば、「共著論文で揉めないための役割分担」も、執筆が進んでからではなく早い段階で確認しておきたいテーマです。



AIを執筆に使いたい場合には、「論文執筆とAI」と「AIで英語を書くと何が起きるか」を、それぞれ実務と英語表現の観点から読むことができます。




投稿した後、査読やリジェクトに対応したい


投稿後には、自分だけでは決められない工程が始まります。


Editorからデスクリジェクトの連絡が来た。Reviewerから大量のコメントが届いた。「新規性がない」と書かれた。Response to Reviewersをどう書けばよいかわからない。


こうした場面についても、複数の記事で扱ってきました。

『新規性がない』と言われるときに起きていること」「デスクリジェクトとEditorコメントの読み方」では、まずコメントが何を意味しているのかを考えます。


実際にリジェクトされた後の判断については、「リジェクトされた後にどう動くか ~次につなげるための判断と行動」で、同じジャーナルへの再投稿、別誌への投稿、原稿の修正など、次の行動を考えます。


査読に進んだ場合には、「査読者は何を見ているのか ~評価の視点と対応の基本」「査読コメントが厳しく見える理由」が、コメントを読むときの手掛かりになります。


回答を書く段階では、「Response to Reviewersの書き方 ~査読コメントへの効果的な対応」と「Response to Reviewersで失敗するパターン」を読むのが良いかもしれません。


査読コメントを単なる「修正指示」として処理するのではなく、何を指摘され、どこを直し、どこは説明するのかを判断するところまでが対応です。



査読する側になった


研究者として活動していると、自分が査読を受けるだけでなく、査読者として論文を読む機会も出てきます。


初めて査読依頼が届いたときに、引き受けるべきか。どこまで確認すればよいのか。どの程度詳しいコメントを書くべきなのか。


初めて査読を依頼されたらどうするか」では、依頼を受けてから回答するまでの基本を扱いました。


良い査読レポートの書き方」では実際のレポートをどう構成するかを、「良い査読とは何か ~査読コメントの質と読み解き方」では、査読コメントの役割そのものを考えています。


さらに、「査読者はどのように選ばれるのか ~ピアレビューの裏側」「オープン査読とは何か ~通常の査読との違いと考え方」を読むと、個々の査読業務だけでなく、ピアレビューという仕組みの中で査読者がどのような位置にいるのかも見えてきます。


投稿者として査読を受けた経験は、査読者になったときにも役立ちます。反対に、査読する側を経験すると、自分の論文がどのように読まれているのかも違って見えるかもしれません。



論文が公開された後、研究成果を届けたい


論文が出版されれば、研究そのものは一つの区切りを迎えます。しかし、研究成果が必要な人へ届くまでには、もう一つ別の過程があります。


なぜ良い研究でも論文が読まれないのか」では、研究発信ガイドの出発点として、論文が公開されたことと、必要な人に見つけてもらえることは同じではないと考えました。


研究者プロフィールは研究成果をどう支えているのか」では、論文単位ではなく研究者を入口として成果へたどる経路を扱っています。


学会については、「学会発表という一度きりの出会いは研究発信に何を残すのか」で、発表の場だけで終わらせず、その後の研究成果へどうつなぐかを考えました。



社会的な関心が高い研究や、専門外の読者にも伝える意味のある成果では、「研究成果はいつプレスリリースするべきか」が参考になります。


さらに、研究が読まれた後についても扱いました。

引用されるとき、研究の何が使われているのか」では、研究成果が後続研究へ組み込まれる過程を、「研究成果を機械が扱える形にするには」では、メタデータや識別子、XMLなど、研究情報が機械によって扱われる仕組みを取り上げています。


最後の「届けるのではなく、届く状態を作る」では、研究発信を「できるだけ多くの人に知らせること」ではなく、必要な人が、必要になったときに研究成果へたどり着ける状態を作ることとしてまとめました。



論文以外の研究成果も活用したい


研究成果は、論文本文だけではありません。


研究データ、コード、補足資料、研究で使用した方法や尺度などが、別の研究に利用されることもあります。


研究データや補足資料をどう公開するか」では、論文と一緒に生まれた研究成果をどのように公開するかを扱っています。


引用されるとき、研究の何が使われているのか」では、結果だけでなく、方法、データ、尺度、モデルなど、同じ論文でもさまざまな部分が後続研究に使われることを取り上げました。


また、研究活動そのものを次につなげるという意味では、プロフィールや学会も重要です。


研究者プロフィールの整え方」では、プロフィール上の基本情報をどう整えるかを実務的に紹介しています。


初めての国際学会参加で押さえたいこと」「学会参加を次の研究につなげるには」では、学会を単発のイベントではなく、その後の研究交流や共同研究につなげる観点から扱いました。


論文という一つの成果だけを見るのではなく、そこから生まれたデータや人的なつながりも含めて考えると、研究成果の残し方も変わってきます。



ジャーナルや学術出版の仕組みを知りたい


論文を投稿するとき、出版社やジャーナルの仕組みをすべて知っている必要はありません。

一方で、査読がどのように行われるのか、Special Issueとは何なのか、査読者はどう選ばれるのかといった基本を知っていると、投稿後の出来事を判断しやすくなります。


論文投稿から掲載まで ~MDPIの査読・編集プロセス」では、一つの具体例としてMDPIの投稿から出版までの流れを紹介しました。


査読者は何を見ているのか」「査読者はどのように選ばれるのか」「オープン査読とは何か」では、ピアレビューを異なる角度から扱っています。


Special Issueとは何か ~特集号の仕組みと研究者にとっての意味」では、通常号との違いや、特集号をどのように捉えればよいかを説明しました。


ジャーナルを選ぶ段階では、「投稿先ジャーナルはどう選ぶべきか」があります。


そして「MDPIはハゲタカなのか? ~評価の背景と研究者としての判断軸」では、特定の評判だけで出版社やジャーナルを判断するのではなく、研究者自身が何を確認すればよいのかを考えています。


出版の仕組みを知ることは、出版社側の事情を覚えることではありません。自分の研究成果をどこへ預け、どのような過程を経て公開するのかを判断するための材料になります。




AIについてまとめて読みたい


AIは、一つの記事だけで完結するテーマではなくなっています。


論文を書く場面では「論文執筆とAI」、英語表現については「AIで英語を書くと何が起きるか」で、それぞれ使いどころと注意点を扱いました。


一方、研究成果を公開した後には、AIが研究を探す側にも回ります。

研究成果を機械が扱える形にするには」では、研究者が投稿時に入力したメタデータやDOIなどの識別子、JATS XMLといった構造化された情報が、その後の研究情報流通にどのように関わるかを取り上げました。


シリーズ外の単発記事となりますが、「論文を読むのは誰か?AI時代の学術コミュニケーションを考える」では、さらに視点を広げ、AIが研究成果を発見・整理するようになることで、学術コミュニケーションそのものがどう変わるのかを考えています。


AIを「論文を書くためのツール」としてだけ見るのではなく、研究成果を探し、整理し、届ける側にも関わる技術として見ると、研究活動との接点はかなり広いことが分かります。




4つのシリーズから探す


ここまでは目的別に記事を紹介してきましたが、シリーズごとに順番に読みたい場合は、以下からご覧いただけます。


日本の研究者のための英語論文の伝え方


英語力そのものではなく、研究内容を英語という言語でどう構成し、EditorやReviewer、読者へ伝えるかを考えるシリーズです。




研究者のための実務ガイド


論文執筆、AI、共著、査読、研究データ、学会など、研究活動の中で生じる実務を扱うシリーズです。




研究者のための論文出版ガイド


投稿、査読、Special Issue、ジャーナル選択など、学術出版の仕組みを研究者の立場から理解するシリーズです。




研究者のための研究発信ガイド


論文公開後も含め、研究成果を必要な人が見つけ、確認し、利用できる状態をどう作るかを考えるシリーズです。





必要なところから、ひとつ読んでみませんか?


40本の記事は、すべての研究者がすべて実践するためのチェックリストではありません。

研究分野、キャリア、研究成果の性質、所属機関の支援体制によって、必要になる情報は変わります。


論文を書いているなら、いま困っているところから。査読コメントが届いたなら、その対応の記事から。論文が公開されたなら、その成果を次にどう届けるかを考えるところから。


研究活動が進めば、以前は必要なかった記事が必要になることもあります。そのときには、またこのページへ戻ってきてください。今の自分に必要な一本から、ぜひご活用いただければと思います。

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