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研究者のための実務ガイド⑦ 良い査読レポートの書き方

  • 4月15日
  • 読了時間: 3分

査読を引き受けた後、最も難しいのは「どう書くか」です。


何を指摘すべきかは分かっても、それをどのように伝えるかによって、査読レポートの質は大きく変わります。


本稿では、著者にとって有益で、編集者にも判断材料となる査読レポートの書き方を整理します。


よくある問題


実務上よく見られるのは、次のようなレポートです。


  • 結論だけで理由が書かれていない

  • 指摘が抽象的で具体性がない

  • コメントが断片的で全体像が見えない

  • トーンが強すぎて著者に伝わらない


これらは意図せず、査読の価値を下げてしまいます。



良い査読レポートとはどういうものか


良い査読レポートは、単なる評価ではなく、論文を前に進めるための文書となっている必要があります。


何が問題なのかが明確であり、なぜ問題なのかが説明されており、どう改善すればよいかが示されている。この3点が揃っているのが基本になります。


良い査読レポートの基本構成(どう組み立てるか)


査読レポートは、一定の構造で書くと読みやすくなります。


まず論文全体に対する評価を簡潔に示し、その上で研究設計やデータ、解釈などに関する主要な指摘を整理します。最後に、表現や誤記といった軽微な修正点を補足します。


この順で整理することで、編集者と著者の双方にとって理解しやすいレポートになります。


良い査読レポートのコメントの書き方(どう伝えるか)


指摘の内容だけでなく、書き方も重要です。


断定ではなく根拠を示すこと、抽象的な表現ではなく具体的に書くこと、可能であれば改善の方向性を示すことが求められます。


例えば「新規性が不足している」と書くだけでなく、「既存研究との差分が明確に示されていない」といった形で具体化することで、著者が対応しやすくなります。


良い査読レポートのトーンのコントロール


査読は批判ではなく、学術的な対話です。


感情的な表現を避け、人格ではなく論文に対してコメントすることが重要です。厳しい指摘であっても、建設的に書くことで、内容が受け入れられやすくなります。


良い査読レポートの優先順位の付け方


すべての指摘を同じ重みで扱う必要はありません。


論文の結論や主張に影響するか、追加実験や大幅な再構成が必要かといった観点で、主要な問題と軽微な問題を区別します。


この区別を明確にすることで、著者はどこから対応すべきか判断しやすくなります。


まとめ


査読レポートの質は、指摘内容だけでなく、その伝え方によって決まります。

構造とトーンを意識して書くことで、著者と編集者の双方にとって有用なレポートになります。

良い査読は、論文だけでなく、分野全体の質を底上げすることにもつながります。

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