MDPIの学術出版ワークショップ(APW):よくある質問にお答えします

(※本記事はmdpi.comの英文ブログ記事「Academic Publishing Workshops: Your Questions Answered」を翻訳したものです)
MDPIは、オープンアクセス出版の推進に向けた取り組みの一環として、学術出版ワークショップ(Academic Publishing Workshops:APW)を開催しています。APWは、MDPIのジャーナルが研究コミュニティとつながり、論文出版のプロセスに取り組む研究者を支援する場です。
本記事では、MDPIのEditorial Engagement Teamのメンバーが、APWの運営について紹介し、ワークショップに関するよくある質問に答えます。
学術出版ワークショップ(APW)とは?
APWは、出版の専門家が講師を務めるセッションです。わかりにくいと思われがちなオープンアクセス出版のプロセスを解説し、論文を出版するために必要なスキルと知識を研究者に身につけてもらうことを目的としています。
参加は無料で、オンラインと対面のどちらでも開催できます。対面の場合は、大学・研究機関、学術センター、学会、博士課程向けワークショップなどの場で実施しています。
Editorial Engagement Teamの役割は? APWはその中でどう位置づけられている?
「Editorial Engagement Teamは、生物医学、化学、生物学、社会科学といった各分野のジャーナルを担当するDeputy Managing Editor(DME)で構成されています。メンバーはそれぞれジャーナルのManaging Editor(ME)と緊密に連携し、定期的なミーティングやアウトリーチ活動を通じて、編集委員会の運営を支えています。
編集委員の先生方とやりとりするなかで、英国の研究者の多くが大学院生の研究グループを指導していること、そして若手研究者(ECR)の多くが論文出版のプロセスを難しく感じていることをよく耳にします」
――Isabel Nelson, Associate Editorial Engagement Manager
APWの対象は?
APWはキャリアの段階を問わず、すべての研究者を対象としていますが、MDPIでは特に若手研究者の参加を歓迎しています。ワークショップでは論文出版のプロセスを段階的に解説し、内容は参加者のニーズにあわせて調整します。
出版業界の専門家や関係者が、協力や知見の共有の場としてワークショップを活用することも歓迎しています。
若手研究者が出版プロセスについて体系的な支援を受けることがなぜ重要?
「若手研究者は、初めての論文投稿に気後れしがちです。APWで投稿時に求められる要件や査読の流れを事前に知っておくことで、自信をもって、より前向きに投稿に臨めるようになります」
――Rebekah Paget, Senior Deputy Managing Editor
「投稿時に出版社が何を確認しているのかを、出版社の視点から知ってもらう機会にもなります。将来、リジェクトにつながりやすい典型的なミスを避けられるようになればと考えています」
――Mary O’Sullivan, Senior Deputy Managing Editor
APWを十分に活用するには?
Editorial Engagement Team、参加者が積極的に質問し、ワークショップをきっかけに生まれる別の機会にもぜひ参加するようお勧めしています。
「プレゼンテーションで扱った内容に限らず、学術出版に関することならどんな質問にもお答えします」
――Rebekah Paget, Senior Deputy Managing Editor
「ジュニア査読者委員会(Junior Reviewer Board)などの活動に参加するきっかけにもなります」
――Anya Osborn, Journal Relations Project Manager
APWでは、MDPIによる研究者支援制度も紹介しています。たとえば、年間を通じて応募できるMDPIのアワードプログラムなどです。
APWの企画・準備はどのように進めればよい?
単独のイベントとして、あるいは学会やワークショップの一部としてAPWの開催を希望する研究者・機関は、遅くとも開催の1か月前までにMDPIの編集エンゲージメントチームにご連絡ください。MDPIのチームは、発表内容の調整を含め、イベントが円滑に進むよう開催機関と協力して準備を進めます。
会場、日時、参加者(対象、人数)は開催機関が選んでいただければと存じます。
APWではどのようなテーマを扱う?
APWでは、競争の激しい研究の世界でキャリアを築くための準備として、幅広いテーマを扱っています。内容は開催機関のニーズにあわせて調整します。
主なテーマは次のとおりです。
論文の準備:研究論文の構成、適切なジャーナルの選び方、学術データベースの活用法
MDPIとオープンアクセス:さまざまな出版モデルと、オープンアクセスの利点
MDPIの編集プロセス:査読の進め方、査読者が用いる評価基準と査読者に求められる基準、リジェクトの理由
研究倫理と出版倫理:盗用、データの改ざん、利益相反などの倫理的な問題
APWの開催に関心をお持ちの機関様は、workshops@MDPI.com までメールでご連絡いただければ、選択できるテーマの詳細を記載したAPWのチラシ(英語版)をお送りします。日本語でのサポートが必要な場合は、MDPI日本オフィス(info-tokyo@mdpi.com)までお問い合わせください。
リクエストの多いテーマは?
APWでは論文の準備からオープンアクセスの利点まで、さまざまなテーマを扱っていますが、特にリクエストが多いのは次のテーマです。
学術出版におけるAIの活用:研究や論文執筆へのAIの導入が進むなか、研究者にはその利点と限界、利用にともなう倫理的な配慮を理解することが求められています。
論文がリジェクトされる理由と、リジェクト後の対応:リジェクトの理由を理解しておくと、投稿前に論文の問題点に気づきやすくなります。
出版倫理:若手研究者が陥りやすいミスを避け、出版の可能性を損なわないためにも、出版倫理を十分に理解しておくことが重要です。
APWでは、どのような知識が得られる?
MDPIのワークショップでは、ほかではなかなか知る機会のない学術出版業界の実情をご紹介しています。出版社が投稿者に求めることとして、次のような点を解説します。
何を、どこに投稿するか:質の高い論文の準備方法と、適切なジャーナルの選び方
論文はどのように評価されるか:編集プロセスと査読プロセスの詳細
リジェクトされる主な理由:投稿前に論文の問題点を見つけるためのポイント
また、査読と編集のプロセスも取り上げ、論文の投稿から出版までの流れを詳しく解説いたします。
参加するには?
MDPIは、APWを通じて、若手研究者をはじめとする研究者の論文出版を支援しています。
今後開催予定のAPWについては、登録方法やプログラム、ゲスト講師の情報とあわせて、MDPIのニュース・お知らせページでご案内します。
過去に日本でもAPWを開催した実績がございます。MDPI Japan、岡山大学で英語論文ワークショップを開催(2026年2月19日)
所属機関でのAPW開催に関心をお持ちの方は、MDPI日本オフィス(info-tokyo@mdpi.com)までメールにてお問い合わせください。
APWの詳細については、「How MDPI's Academic Publishing Workshops Can Empower Researchers」(英語記事)もご覧ください。


