三上浩司教授が「Phycology」のセクション編集長に就任

(※本記事は、mdpi.comの英文記事「Prof. Dr. Koji Mikami Appointed Section Editor-in-Chief of Section “Algal Physiology, Biochemistry and Molecular Biology” in Phycology」を翻訳したものです)
宮城大学の三上浩司教授が、MDPIのオープンアクセスジャーナルPhycology誌(ISSN: 2673-9410)の「Algal Physiology, Biochemistry and Molecular Biology(藻類の生理学・生化学・分子生物学)」セクションのセクション編集長(Section Editor-in-Chief)に就任されました。
三上先生の専門は、海藻の発生と環境ストレス応答に関する生理学・分子生物学、そして海藻のバイオテクノロジー(遺伝子導入と遺伝的形質転換、海藻由来の遺伝子の陸上緑色植物への応用)です。
セクション編集長としての三上先生の役割は、編集部やアカデミックエディターと連携して質の高い論文の投稿を支援し、「Algal Physiology, Biochemistry and Molecular Biology」セクションを、藻類学の研究者に広く開かれた場としてさらに充実させていくことです。
以下では、三上先生に本誌の展望、研究分野、オープンアクセス出版についての見解を伺いました。
Q. セクション編集長を引き受けるにあたり、本誌のどのような点に魅力を感じられましたか。
A. 持続可能な海面養殖を実現するうえでも、機能性を持つ藻類素材を食品、医薬品、化粧品に応用するうえでも、藻類を生物学的に理解することは欠かせません。しかし、発生や成長、環境ストレス応答の制御機構を生理学・分子生物学のレベルで解明するといった基礎生物学的な研究は、植物や動物の研究分野に比べて大きく遅れています。私はこれまで藻類と植物の形態形成やストレス応答を研究してきました。その経験を活かし、他の藻類学ジャーナルでは十分に扱われてこなかった基礎生物学の分野を強化することに貢献したいと考えています。
Q. 本誌に対する今後のビジョンをお聞かせください。
A. 多くの投稿と厳格な査読を基盤として、Phycologyは藻類研究に関わるあらゆる分野を扱うジャーナルへと発展していけると考えています。ただし、バイオインフォマティクス解析のみに基づく論文や、AIによって書かれた文章を含む論文をどう扱うかについては、合意を形成しておく必要があります。
Q. この研究分野の今後の展望についてどのようにお考えですか。
A. この分野の進展は、大型藻類で遺伝子改変の手法、とりわけゲノム編集を確立できるかどうかという技術的なブレークスルーに大きく左右されます。そのため、分子生物学分野の技術開発につながる研究は重要な領域です。もう一つ重要なのが教育です。植物、動物、微生物を対象に積み重ねられてきた基礎生物学を学び、生物を分子レベルで捉える思考力を身につける必要があります。藻類研究の裾野を広げていくには、あわせて他分野の研究者の参入を促していくことが欠かせません。
Q. 学術出版におけるオープンアクセスの発展についてどのようにお考えですか。
A. オープンアクセスは、研究成果を世界中で共有するための非常に重要な手段です。一方で、費用が研究者の負担になることもあります。ジャーナルを発展させ、質の高い論文を集めていくためには、費用を抑えることが次の重要な課題になるでしょう。
三上教授のセクション編集長としてのご活躍と、本誌のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。
Phycologyの編集委員会の詳細につきましては、以下のページをご参照ください。


