top of page

図書館総合展2026、何を見る?~個人的な注目ポイント

1 日前
読了時間: 5分

10月20日~22日の3日間、パシフィコ横浜で「第28回図書館総合展2026」が開催されます。


図書館総合展は、大学図書館や公共図書館をはじめ、出版社、情報サービス企業、図書館関連団体など、さまざまな立場の人々が集まるイベントで、展示ブースに加え、多彩なテーマのフォーラムや講演が開催され、図書館を取り巻く最新の動向に触れることができます。


今年のテーマは「未来と次代の図書館人-発掘しにゆく、されにゆく」です。


「発掘しにゆく」という言葉がなかなか面白いですね。新しい技術やサービスを探すだけでなく、普段は接点のない人や活動に出会うことも、図書館総合展の楽しみ方のひとつなんだと思います。


今回は、学術出版や研究支援に関わる立場から、個人的に気になっている企画をいくつか紹介してみたいと思います。



個人的な注目フォーラム


若手研究者の本音、”たっぷり”聞いてみよう ~ 学術情報流通のリアル

10月20日(火)13:00~14:30


オープンサイエンスや即時オープンアクセス(OA)、研究評価など、学術情報流通を巡る議論では、大学や図書館、出版社などの立場から制度や仕組みが語られることが多くあります。では、実際に研究成果を発表する若手研究者は、こうした動きをどう受け止めているのでしょうか。


研究大学コンソーシアム(RUC)によるこのフォーラムは、若手研究者自身の声に耳を傾ける企画です。


OA出版の費用負担や投稿先の選択、研究評価といった問題は、研究者のキャリアにも直接関わります。研究を支援する側の考え方と、研究者自身が感じている課題には、どのような共通点や違いがあるのでしょうか。


今年のテーマである「次代」という言葉にもつながる企画として、特に注目しています。


学術コミュニケーションの動向2025-2026

10月20日(火)15:30~17:00


副題は「オープンアクセス騒ぎのあとのもっと面倒な話」。OA出版社としては少々耳の痛いタイトルですが、だからこそ気になります。


土屋俊氏によるこのフォーラムでは、OAを巡るこれまでの動きを振り返りながら、AIが学術コミュニケーションに及ぼす影響や、研究インテグリティ(研究の公正性)などが取り上げられる予定です。


OAの普及によって論文へのアクセスは広がりましたが、学術情報流通にかかる費用の問題が解決したわけではありません。一方で、生成AIの登場は、研究成果をどのように作成し、評価し、流通させるのかという問題にも新たな問いを投げかけています。


OAの普及を目指すという議論から一歩進み、その先の学術コミュニケーションをどう考えるのか。出版社にとっても無関係ではいられないテーマです。


AI時代の図書館を利用者の観点から討議する

10月21日(水)15:30~17:00


生成AIの普及によって、私たちの情報の探し方は変わりつつあります。こうした変化の中で、図書館はどのような役割を担っていくのでしょうか。


このフォーラムでは、国立情報学研究所(NII)、大学図書館、公共図書館の立場から、AI時代の図書館について利用者の視点を交えて議論します。


個人的に興味深いのは、NIIによるOpenAlexと機関リポジトリの連携に関する話題です。2026年3月から、国内の機関リポジトリのメタデータをIRDB経由でOpenAlexに流通させる取り組みが始まっています。これにより、日本の研究成果が海外の学術向け生成AIからも利用されやすくなることが期待されています。


図書館が情報を収集・提供するだけでなく、AIによって利用される学術情報の基盤を支えるという視点は、これからますます重要になりそうです。


大学図書館と公共図書館の両方の事例を聞ける点にも注目しています。



展示会場を歩いてみる


フォーラムも魅力的ですが、図書館総合展では展示会場を歩く時間も確保しておきたいところです。


図書館システムや電子リソースを扱う企業だけでなく、図書館関連の団体やコミュニティなども出展しており、大学図書館の仕事に直接関係するものから、普段はなかなか触れる機会のない分野まで、多彩な展示が並びます。


目的のブースを訪ねるのはもちろんですが、予定していなかった展示をのぞいてみるのも楽しみです。大学図書館と公共図書館では抱える課題が異なる一方で、利用者への情報提供やデジタル技術の活用など、共通するテーマも少なくありません。


今年のテーマにある「発掘しにゆく」を実践するなら、あまり予定を詰め込みすぎず、会場を気ままに歩く時間を残しておくのもよさそうです。




参加を予定している方へ


今回紹介したフォーラム以外にも、図書館総合展では数多くの企画が予定されています。関心のあるテーマを見つけたら、ぜひ公式サイトのイベント一覧をチェックしてみてください。フォーラムには事前申込が必要なものもあるので、早めの確認がおすすめです。


また、講演を聞くだけでなく、展示ブースの担当者やほかの参加者と直接話ができることも、対面イベントの魅力です。



MDPI Japanも出展します!


MDPI Japanも、今年の図書館総合展に出展します。ブースNo.26にて、オープンアクセス出版や大学・研究機関向けのAPC割引プログラム(IOAP)などについてご案内します。ご質問やご相談がありましたら、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


また、最終日の10月22日(木)14:30~15:15には、スピーカーズ・コーナーAで「『このジャーナル、大丈夫ですか?』と聞かれたら ~大学図書館員のためのジャーナル確認ガイド~」と題した講演を行います。


研究者から投稿先について相談された際、どのような情報を確認すればよいのか、大学図書館員の皆さまに役立つポイントをご紹介する予定です。


会場で皆さまとお会いできることを楽しみにしています。


bottom of page