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なぜCC BYがオープンアクセスに最適なライセンスなのか

  • 24 時間前
  • 読了時間: 8分


(※本記事はmdpi.comの英文ブログ記事「Why CC BY Is the Best License for Open Access」を翻訳したものです)


2024年、ドイツの大学・研究機関によるDEALコンソーシアムは「OPEN ACCESS MEANS CC BY(オープンアクセスとはCC BYである)」というスローガンのもとでキャンペーンを展開しました。


このキャンペーンは、再利用や配布を妨げるとされる非営利ライセンスの利用を減らすことを目指したものです。それから2年が経った現在も、CC BYは、オープンアクセスを義務化する主要な助成機関や研究機関が定める方針やポリシーにおいて、標準的に選ばれるライセンスであり続けています。


CC BYがオープンアクセスに最適なライセンスであるのは、再利用と普及を最大化するからです。クレジット表示という条件さえ満たせば、他者が著作物を配布し、リミックスし、翻案し、さらにそれをもとに新たな成果を生み出すことを認めています。


ここでは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは何か、そしてなぜCC BYがオープンアクセス出版に理想的なのかを見ていくことで、DEALコンソーシアムがこのキャンペーンを展開した理由を説明します。


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons licenses)


クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスは、従来の著作権とパブリックドメインとのあいだの空白を埋めるために生まれました。このライセンスは、著作者と、その素材を利用する側の双方の権利を明確に定めます。その結果、CCライセンスのついた著作物は、より簡単に複製・配布・展開できるようになり、これは知識の生産にとって大きな利点になります。


平たくいえば、CCライセンスは、著作者が自ら望む条件のもとで、著作権法上の利用許可を広く一般に与えられるようにするものです。また、読み手の側から見れば、「この著作物で何ができるのか」という問いに答えてくれます。


つまりCCライセンスは、オープンアクセス素材の利用に関するルールを定めるものといえます。


CC BY


CCライセンスはいずれも「基本的な権利」を認めており、その中心にあるのがCC BYライセンスです。「BY」は、クレジット表示が必要であること、つまり利用時に「誰による著作物か」を明記する必要があることを指します。


CC BYは、CCライセンスの土台となるものです。クレジットが表示されているかぎり、営利目的であっても、あらゆる媒体・形式で素材を配布・リミックス・翻案し、さらにそれをもとに新たな成果を生み出すことを認めます。


CC BYは、再利用と普及を最大化するため、最も制約の少ないライセンスといえます。


その他のCCライセンス


クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは略語で表され、SA、NC、NDといった異なる略語をハイフンでつなぐことで変化させられます(CC BY-SAのように表記します)。ここでは、その他のライセンスの選択肢を簡単に紹介します。


「SA」は「share-alike(継承)」を指します。これは、利用者がCC BYと同じ権利を持つ一方で、改変した素材を、元の素材と同じ条件でライセンスしなければならないことを意味します。つまり、CC BY-SAの論文から図を1点共有したい場合、それを同じCC BY-SAライセンスのジャーナルで再公表しなければなりません。


「NC」は「non-commercial(非営利)」を指します。これは、利用者がCC BYと同じ権利を持つ一方で、その素材を営利目的で利用できないことを意味します。


「ND」は「non-derivative(改変禁止)」を指します。これは、利用者がCC BYと同じように素材を複製・配布できる一方で、改変を加えていない形でのみ利用できることを意味します。要するに、利用者はその素材をリミックスしたり翻案したりできません。


「翻案(Adapt)」とは、目的を問わず、素材をリミックスし、変形させ、それをもとに新たな成果を生み出すことと定義されます


さらに、これらのライセンスには、よく使われる組み合わせがもう2つあります。


CC BY-NC-SA:改変した素材を元の素材と同じ条件でライセンスしなければならず、かつ営利目的で利用できないことを意味します。


CC BY-NC-ND:素材を改変することも、営利目的で利用することもできないことを意味します。


非営利ライセンスの課題


DEALコンソーシアムは、非営利ライセンスという選択肢が再利用や配布を制限するとして、CC BYライセンスの利用を推奨しています。


DEALが挙げるCC BY-NCへのよくある批判(オープンアクセス学術出版協会(OASPA)も同様に述べています)は、「営利利用」が具体的に何を指すのかが不明確だという点です。たとえば、公的機関と民間機関の協働はライセンスの条件に抵触する可能性があり、医師、弁護士、建築士といったフリーランスの専門職による利用も同様です。


OASPAは、こうした法的な曖昧さが、実質的に再利用の妨げになると論じています。さらに、営利部門が研究を再利用し、それをもとに新たな成果を生み出せるようにすることは、社会にとってのイノベーションを前へ進める一つの方法だと述べています。


さらにDEALは、出版社に独占的な営利利用の権利を与えることは、著者の同意も収益の分配もないまま出版社が研究を営利利用できるようにしてしまうとも論じています。これは、出版社が自社のカタログを人工知能企業にライセンス供与している事例で、現に起きていることです。


最後にDEALは、非営利ライセンスの適用が、オープンアクセスの基礎となる定義と両立しないと説明しています。「科学・人文科学における知識へのオープンアクセスに関するベルリン宣言」は、研究は「あらゆる責任ある目的のために」ライセンスされるべきだとしています。


要するにDEALは、非営利ライセンスがオープンアクセスの使命、すなわち「研究を、どこにいる誰にとってもアクセス可能で再利用可能なものにする」という使命に反すると考え、これを批判しているのです。


CC BYのメリット


CC BYライセンスは、再利用と普及を最大化します。クレジット表示という条件さえ満たせば、他者があなたの著作物を配布・リミックス・翻案し、さらにそれをもとに新たな成果を生み出すことを認めます。


CC BYのもとでは、営利利用の権利がすべての人に等しく開かれます。DEALは、誰もがあなたの著作物を営利目的で利用する権利を等しく持つとき、特定の主体がそれを独占したり、不当に利益を得たりすることを防げると説明しています。さらに、利用や共有の条件をめぐる法的な明確さが、あらゆる曖昧さを取り除きます。


影響という観点では、利用者が等しくアクセスしやすい利用権を持てるようにすることには、多くの利点があります。研究の流通を広げ、著作物の利用や共有のたびに許可を求める必要をなくし、他者が元の著作物を改良したり、価値を加えたり、それをもとに新たな成果を生み出したりすることを後押しできます。そのため、翻訳、翻案、そして似た射程や焦点を持つ著作物を、法的な問題を生じさせることなく生み出せます。


OASPAが述べているように、こうした明確さは「文献を、研究・教育・イノベーションのための、はるかに強力なリソースへと変える」ことができます。


しかもこれらはすべて、ブダペスト・オープンアクセス・イニシアチブ(BOAI)が定めるオープンアクセスの中核的な定義と一致しています。


「本文献における『オープンアクセス』とは、公共のインターネット上で無料で利用できることを意味します。すなわち、あらゆる利用者が、これらの論文の全文を読み、ダウンロードし、複製し、配布し、印刷し、検索し、リンクを張り、索引付けのためにクロールし、データとしてソフトウェアに渡し、その他あらゆる適法な目的で利用することを、インターネットそのものへのアクセスに不可分な障壁を除いて、経済的・法的・技術的な障壁なしに認めるものです」


MDPIがCC BYを選んだ理由


2008年、MDPIはMDPIのすべてのジャーナルにCC BYライセンスを適用しました。これは、オープンアクセスのBBB定義(ブダペスト、ベセスダ、ベルリン)と足並みをそろえるためでした。


MDPIが出版するすべての論文は、オープンアクセスライセンス、すなわちCC BYのもとで即時に利用可能になります。これは次のことを意味します。


誰もが、MDPIのジャーナルに掲載されたすべての論文の全文に、無料かつ無制限にアクセスできます。元の出版物に対して適切なクレジット表示・引用がなされていれば、誰もが公表された素材を自由に再利用できます。MDPIが出版した論文の全体または一部を、図表を含めて再利用する際に、特別な許可は必要ありません。要するに、正しく引用しさえすれば、許可を求めることなくMDPIの論文の内容を自由に再利用できます。


オープンサイエンスを前へ進めるために


自分の著作物に適したライセンスを選ぶことは、とても重要です。CC BYは、すべての人にとって可能なかぎり大きな利益と影響をもたらします。著作物を営利目的の搾取や法的な曖昧さから守りながら、オープンアクセスの中核的な定義とも一致します。


MDPIは、すべての研究を世界中で即時に利用可能にし、公表されたすべての論文の全文に、読者が無料かつ無制限にアクセスできるようにしています。最新の知見を届けるために500誌以上のジャーナルを擁しており、その多くが学際的な研究を扱っています。ジャーナルの一覧はこちらからご覧いただけます。


私たちは、オープンアクセスを理解するうえで必要な情報をすべてお届けしたいと考えています。オープンアクセスに関する英文ブログ記事「All You Need to Know About Open Access」では、理解を深め、最新の情報を把握するのに役立つ幅広いトピックを扱っています。こちらもあわせてご覧ください。

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