top of page

世界各国のオープンアクセス(OA)政策とOA義務化の流れ


(※本記事は、mdpi.comの英文ブログ記事「Open Access Policies and Mandates Around the World」を翻訳したものです)


日本では、2025年度より、国の公的資金(科研費等)を用いた研究成果(論文・根拠データ)の「即時オープンアクセス(OA)化」が義務化されましたが、世界中でOAを広めるための政策や義務化が行われています。OA化は、学術論文やデータを誰もが利用できるようにするものです。


そもそもオープンアクセスとは?

オープンアクセス(OA)とは、学術研究の出版モデルの一つであり、読者が無料で情報を即時に入手でき、学術目的での再利用が自由に行えるものです。


OAには、いくつかの異なるタイプがあり、「色」で表現されています。


ゴールド:フルOAジャーナルへの出版を指します。投稿する著者には、論文掲載料(APC)がかかります。OAジャーナルディレクトリ(DOAJ)には、ゴールドOAジャーナルのリストが掲載されています。


グリーン:研究を分野別リポジトリや機関リポジトリに保存することです。これは自己アーカイブとも呼ばれます。


ダイヤモンド:この形式で公開された著作物は読者が自由に利用でき、APCも発生しません。


ハイブリッド:従来の購読制ジャーナルの一部では、著者が有料で投稿論文をOA形式で公開する選択肢を提供しています。


OAの目的とは?

OAの目的は以下となります。


  • 一般市民による科学研究の入手可能性と再利用性の確保

  • 科学コミュニケーションのアクセシビリティと透明性の確保

  • 科学的な共同研究の促進

  • 研究方法、観察、データ収集の透明性の確保


さらに、OAを世界中に広めることは、学際的な科学研究の能力向上に寄与します。これは気候変動のような最も差し迫った地球規模の問題に取り組む上で重要です。研究へのアクセスや研究活動を行う上での障壁を取り除くことで、OAは科学研究がその可能性を最大限に発揮できるよう支援しています。


OA政策とOA義務化とは?

OA政策とOA義務化とは、政府、資金提供機関、または機関が設定する規則または要件であり、研究成果を様々な程度でOA形式により公開することを義務づけるものです。


その厳格さは様々で、OA出版を推奨・支援するものと、全ての出版物を特定のリポジトリやジャーナルで公開することを義務づけるものがあります。また、グリーン、ゴールド、ダイヤモンド、あるいはそれらの組み合わせなど、OAを達成する方法は要件によって異なります。


さらに、OA政策は、研究成果の拡大や開発・革新の促進など、政府の目標と関連している傾向があります。



世界各国のOA政策

世界各国ではOAがどのように扱われているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。



日本

日本はOA政策を拡大しています。2013年以降、特にイノベーションに関連して、政策レベルでOAが定期的に議論されてきたものの、当時の政策は米国などの他国に比べて制限が少なく、進展も遅い状況でした。しかし、上記で述べた通り、2025年度より、国の公的資金(科研費等)を用いた研究成果(論文・根拠データ)の「即時OA化」が義務化されました。


参考:



OAは、科学技術研究における国際的影響力の強化など、日本の他の取り組みとも関連しています。したがって、日本は特にデータ分野を中心にオープンアクセスの基盤をさらに強化・発展させ、これを活用して世界の研究分野における存在感を高めるという目標を達成していく可能性が高いと考えられます。




オーストラリア

オーストラリアには洗練されたオープンリポジトリのネットワークが構築されており、「Read & Publish」契約(雑誌の閲覧だけではなく、OA出版費用もカバーされた契約)の確立に重点が置かれています。全国統一の義務化方針が求められているものの、現時点ではそういったものは存在しません。


ただし、主要な資金提供機関2つと一部の主要機関では義務化が実施されています。


National Health and Medical Research Council(NHMRC)は「NHMRC資金による研究から生まれた査読つき出版物は、出版と同時にOA化すること」を義務づけています。さらに、オーストラリア研究会議(ARC)は、ARC資金による研究成果物は出版日から12ヶ月以内にアクセス可能にしなければならないと規定しています。


多くのオーストラリアの大学は、全国の図書館や図書館協会の支援のもと、OA化施策またはステートメントを有しています。


2003年に設立されたARROWは、オーストラリアの大学全体に機関リポジトリを導入する国家プロジェクトです。このプロジェクトにより、学術機関が独自のリポジトリを保有するための十分なインフラが全国的に整備されました。


まとめると、オーストラリアにはOAに対する強固な基盤と需要が存在します。しかしながら、統一的な政策の欠如や「Read & Publish」契約への重点化については、一部組織から批判の声が上がっています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Australia」をご覧ください。


ブラジル

ブラジルには正式なOA政策や長期戦略は存在しません。しかしながら、公的研究機関や教育機関が主導するOA推進の取り組みが数多く存在します。10年にわたる資金削減と不確実性の後、政府は科学と教育への再注力を始めており、これによりブラジルおよびラテンアメリカ全域でOAのさらなる発展が期待されます。


▼詳細については英文記事「Open Access in Brazil」をご覧ください。


カナダ

カナダではOA政策が拡大中です。2008年から2015年にかけてカナダ政府はOA要件を大幅に拡充していましたが、その後は進展が鈍化していました。しかし、「2020 Roadmap」には、パンデミックを契機としたOA政策への関心再燃が反映されているように見受けられます。


2020 Roadmapは、連邦政府資金による科学研究成果物について公開猶予期間(エンバーゴ期間)を設けずデフォルトでOAを実現することを目指しています。同様に、現在12ヶ月のエンバーゴ期間を設けているカナダの主要資金提供機関も、2025年末までに公開制限のないOA出版を義務づける予定です。これは米国のタイムフレームを反映したものです。OAは現在、カナダ政府の重点課題となっています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Canada」をご覧ください。


中国

中国のOAは急速なペースで成長を続けています。この成長は、研究開発への国家の取り組みと「オープンサイエンスの推進を義務づける」政策に起因します(「中華人民共和国科学技術進歩法(2021年修正版)」)。現行法は研究分野全体での一貫性と協力の必要性を定めています。これにより中国は、科学技術の「自立自強」を追求する中で、政府機関全体、特にOAに関連する分野において一貫した政策を確立していく予定です。


▼詳細については英文記事「Open Access in China」をご覧ください。


エジプト

エジプトには国家レベルのOA義務化方針は存在しません。機関や地域レベルの政策も導入されていません。


Egyptian Knowledge Bank(EKB)は、エジプト国民が自由にアクセスできるオンライン図書館アーカイブです。ただし、国民限定かつ再利用制限があるため、OAとはみなされません。


Open Science Community Egypt(OSCE)は、エジプトにおけるオープンサイエンスとその主要概念の認知度向上を目指し、志を同じくする個人のネットワーク構築に取り組んでいます。OSCEは、オープンサイエンスの実践を通じてキャリアアップを目指すエジプト人研究者を対象としたワークショップを開催しています。


同様に、カイロ・アメリカン大学はOAワーキンググループを発足させ、イベントの開催や研究者への教育活動を行っています。


エジプト国内では様々なリポジトリが運営されており、これらは「African Digital Repositories」に掲載されています。


  • Agricultural Research Centre

  • AUC Digital Archive and Research Repository

  • Rare Books and Special Collections Digital Library

  • BA Digital Assets Repository

  • Future University FUE Digital Repository

  • Menoufia University Scholarly Publication Repository Portal

  • Misr University for Science and Technology MUST Digital Archive and Research Repository


OSCEとOAワーキンググループは、研究者にOAの利点を啓発する優れたコミュニティ活動を国内で展開しています。これらを「Vision 2030」の目標と連動させることで、エジプトにおけるOAの認知度向上と研究者の積極的な取り組み促進が期待されます。


▼詳細については英文記事「Open Access in Egypt」をご覧ください。


欧州連合(EU)

EUは、科学出版におけるOAを標準とするための様々な取り組みを進めています。これらはEUの研究・イノベーション戦略の一環です。


Horizon Europeは2027年まで続く資金提供プログラムで、予算は955億ユーロです。その目的は、グローバルな課題に取り組むとともに、研究の連携を促進し、その影響力を強化することにあります。資金提供を受ける研究者にはOAが義務づけられています。


EUは、複数の国家研究資金提供機関による「cOAlition S」の立ち上げを支援しました。これは「Plan S」を中核とする取り組みです。2021年以降、「Plan S」は「公的・私的資金による研究から生まれた査読済み学術出版物への完全かつ即時的なOA」を義務づけています。


「Plan S Annual Review 2024」では、フルOA出版経路への重点化が示されています。転換契約への財政支援は終了します。さらにPlan Sは、より公平で革新的な出版モデルを支援し、プレプリント、データ、コードなど全ての研究成果物のOAを拡大します。


▼詳細については英文記事「Open Access in the EU」をご覧ください。


フランス

フランスにおけるOAには長い歴史があります。また、EUの一員として、フランスはPlan Sを中核とする国際的イニシアチブ「cOAlition S」に参加しています。


フランスの主要な資金提供機関は、公的資金で賄われた学術出版物を公開し、再利用可能とすることを義務づけています。2016年の「Law for a Digital Republic」では、公的資金を受けた研究者が著作権譲渡契約に署名した場合でも、自身の著作物のコピーをオープンにアーカイブする権利が確立されました。


「Second French Plan for Open Science Open Access」では、OA要件は、OAジャーナルへの掲載、またはHALなどの公開アーカイブへの登録によって満たすことが可能です。これは、2030年までにフランス国内の学術出版物の100%をOA化するという目標に反映されています。


本プランが2021年から2024年を対象としていることから、「Third French Plan for Open Science」が策定される見込みです。これはEU政策の更新に沿った形で策定される見込みです。


▼詳細については英文記事「Open Access in France」をご覧ください。


ドイツ

ドイツには統一的なOA政策は存在しませんが、堅固な戦略構築を中心とした様々な取り組みを含む、洗練されたOA文化が根付いています。


連邦政府は「持続可能で信頼性が高く適切な方法でOAへの移行を支援する」ことを目指しています。そのため、ドイツ国内の各州および機関は、独自の方法でOAを推進することが奨励されています。


連邦教育・研究省(BMBF)、ドイツ研究振興協会(DFG)、マックス・プランク協会も同様に、OA出版を義務づけてはいませんが、APCが必要なジャーナルへの掲載を希望する研究者に対して資金支援を提供しています。


その成功を踏まえ、ドイツにおけるOAは今後も公式な義務づけやPlan Sへの参加を欠いた状態が続く見込みです。代わりに政府は、学術出版の多様性を維持することに注力し、各州が独自のアプローチでオープンな原則を維持することを認める方針です。


▼詳細については英文記事「Open Access in Germany」をご覧ください。


インド

インドには強力なコミュニティ主導のOA文化が根付いており、グローバルサウスにおける研究のリーダー的存在です。


現在、インドには全国的なOA義務化政策は存在しません。しかしながら、「One Nation, One Subscription policy(ONOS)」政策により、6,300の政府運営高等教育・研究機関に所属する約1,800万人が、30の出版社から提供される1万3,000誌の電子ジャーナルに単一ポータル経由でアクセス可能です。


「Open Access India」は、インドにおけるOA推進と政策決定者・研究者・学術コミュニティへの影響力行使を目的としたコミュニティプラットフォームです。同団体は以下を運営しています。


  • IndiaRxiv:あらゆる分野の原稿・研究資料を受け入れる全国的な学際的リポジトリ

  • IndiaJOL:非営利学術団体を支援するために設計されたダイヤモンド型OAジャーナルプラットフォーム


インドの研究成果の多くは依然として購読制に依存しており、その数は2019年から2024年にかけて増加傾向にあります。


インドのOAコミュニティは強化され続け、コミュニティ主導のインフラ整備を推進しています。IndiaRxivとIndiaJOLは、持続可能な非営利イニシアチブが研究者にオープンサイエンスを推進する力を与える好例です。


▼詳細については英文記事「Open Access in India」をご覧ください。


イタリア

イタリアでは、コミュニティ、政府、欧州連合の支援のもと、オープンサイエンス文化が着実に育まれています。


イタリアはOAに関連する様々な国際的取り組みに参加しています。


  • Plan S

  • European Open Science Cloud

  • Horizon Europe


2013年、イタリア議会は公的資金の50%以上で資金提供された研究成果をOAとすることを義務づける法律を可決しました。


2021年には国家研究プログラム(PNR)により「National Research Programme(PNR)」が発表されました。


本計画は5つの主要目標を中心に構成されています。


1. 科学出版物のOA化

2. FAIR研究データ

3. 研究評価の改革

4. 広範なオープンサイエンス文化への参加

5. インフラ整備


この包括的な計画は、研究者が持続可能な形でオープンサイエンスへ移行することを支援することを目的としています。


イタリアのOAコミュニティは、着実に成長を続けています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Italy」をご覧ください。


メキシコ

メキシコはラテンアメリカにおけるOAの先駆者です。


2014年、メキシコ政府は公的資金を受けた科学・学術著作物への無料アクセスを義務づける法律を可決しました。


大統領は、この法律が、「公的資金で一部または全額が賄われた科学・学術成果へのメキシコ国民の自由なアクセスを可能にし、情報の利用をさらに民主化するものである」と説明しました。


同国は強力なリポジトリ基盤を有し、全てがNational Repositoryに連携されています。2025年1月時点で、National Repositoryには16万7,814件の情報資源が登録され、108の機関リポジトリと接続されています。メキシコは様々な国際的なオープンサイエンス協定に積極的に参加し、OA原則の採用を加速させています。


メキシコは今後も国際的な取り組みに参加し、学術機関が主導的役割を果たす独自の非営利OAインフラの拡充を推進していくことでしょう。


▼詳細については英文記事「Open Access in Mexico」をご覧ください。


オランダ

オランダは100%OA達成を目標としています。この使命は、強固なインフラ・政策・支援体制に加え、EUおよびPlan Sの一環としての国際協力によって実現されつつあります。


研究者は自らの成果をOA形式で共有する権利を有します。2015年の著作権法改正(Taverne Amendment)により、研究者はエンバーゴ期間終了後、短編科学論文を自由に共有できるようになりました。


Dutch Research Council(NWO)は100%OAを目標とし、出版時の即時OA化を義務づけています。これはOAジャーナルへの掲載またはオープンリポジトリへの登録によって達成可能です。


2017年に発表された「国家オープンサイエンス計画」は、全ての学術成果をOA化し、全データのFAIR性を確保し、市民科学を促進することを目的としています。


同国は今後も、研究者のオープン出版を支援し、EU政策の更新に合わせてさらに連携を深めていくことでしょう。


▼詳細については英文記事「Open Access in the Netherlands」をご覧ください。


ナイジェリア

ナイジェリアでは、コミュニティや組織主導の様々なオープンサイエンスイニシアチブが展開されています。


これらは、インターネット接続の不足や言語的障壁といった課題に対応しつつ、ナイジェリアにおけるインフラ構築、スキル開発、OAの推進を目的としています。


LIBSENSEは、図書館に枠組みと支援を提供するアフリカのイニシアチブです。2024年、LIBSENSEはナイジェリア向けのオープンサイエンスモデル政策を策定しました。このモデル政策は、学術コミュニケーション、教育リソース、リポジトリ、ガバナンスを含むあらゆるレベルでのオープン化を促進します。


ナイジェリアには様々なリポジトリが存在します。


  • National Repository of Nigeria

  • Covenant University Repository

  • University of Ibadan Open Access Repository (UISpace)

  • Ladoke Akintola University of Technology (LAUTECH)

  • University of Lagos (UNILAG)


様々なイニシアチブ、特にLIBSENSEによって、オープンサイエンス政策策定の基盤整備に向けた取り組みが進められています。


特に重点が置かれている分野は以下です。


  • オープン化に関する意識向上とデジタルリテラシーの向上

  • インフラ不足部分の把握と対応

  • 科学コミュニティの結束強化

  • OA出版に対する適切なインセンティブの確保

  • オープンサイエンスとOA出版のための国家プラットフォームの構築


▼詳細については英文記事「Open Access in Nigeria」をご覧ください。


ノルウェー

ノルウェーは、段階的でありながら包括的なOA政策の確立において主導的な役割を果たしています。


Plan Sの参加国として、ノルウェーの公的資金による研究成果は出版と同時にOA化が義務づけられています。またEuropean Open Science CloudやHorizon Europeにも参加しています。


さらにResearch Council of Norwayは、研究者が所属する機関への間接経費の一部として、APCを含むOA出版費用を負担しています。


教育研究共有サービス機関「Sikt」は、OAの国家調整機関であり、コンソーシアム契約の主要交渉担当者です。ノルウェーの研究情報を集約する主要プラットフォーム「CRISTIN」と「NORA」を運営しています。


ノルウェーは今後も欧州政策に沿い、資金とインフラ面で研究者を支援し続ける見込みです。


▼詳細については英文記事「Open Access in Norway」をご覧ください。


サウジアラビア

サウジアラビアには、国家レベルでの包括的なOA義務や特定の要件は存在しません。ただし、「Vision 2030」構想に関連する特定のオープンサイエンス要件が一部設けられています。


Research, Development, and Innovation Authority(RDIA)は最近、政府資金による研究インフラをOA化することを義務づける方針を導入しました。研究者に義務は課されていませんが、データをOA形式で共有することが「推奨」されています。


さらに、サウジアラビアでは様々なオープン教育イニシアチブが展開されています。これにはCenter for Society and Literacy Awareness、Open Data Platform、Saudi Open Educational Resources Networkなどが含まれます。


OA政策は大学によって異なりますが、現時点で厳格な義務づけはどの大学にもありません。アブドラ王立科学技術大学(KAUST)が最も先進的なプログラムを有しています。KAUST Open Access Publishing Programは、出版社と様々なOA契約を締結し、APCの全額負担または割引を提供することで研究者を支援しています。KAUSTは、MDPIと提携しているサウジアラビアの大学のひとつです。


今後、サウジアラビアは教育資源や研究インフラへのアクセス拡大を図るため、オープンサイエンスへの取り組みをさらに発展させる可能性が高いと考えられます。


▼詳細については英文記事「Open Access in Saudi Arabia」をご覧ください。


シンガポール

シンガポールには国家レベルのOA義務化方針は存在しません。ただし、主要な資金提供機関では導入されています。


以下の資金提供機関は、出版後12ヶ月以内にOAを義務づけています。


  • National Research Foundation (NRF)

  • Agency of Science, Technology, and Research (A*STAR)

  • National Medical Research Council (NMRC)


シンガポールに拠点を置く研究者を対象とした、様々な大学の方針やリポジトリも存在します。これらはデータやデータ管理計画など、オープンサイエンスの実践にも及びます。


主なリポジトリには以下が含まれます:


  • National Institute of Education Digital Repository

  • Nanyang Technological University DR-NTU

  • National University of Singapore ScholarBank@NUS

  • Singapore Institute of Technology IRR

  • Singapore Management University InK@SMU



グリーンOAのための確固たる基盤が整備されており、資金提供機関によるゴールドOA出版の支援も行われています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Singapore」をご覧ください。


南アフリカ

近年、南アフリカではOAの普及が進んでいます。しかしながら、国家レベルの政策が未整備であることなど、克服すべき重大な課題がいくつか存在します。


過去20年間における主な取り組みは、機関レベルおよび国家レベルのリポジトリならびにOAジャーナルの整備に重点が置かれてきました。これらはSciELOプラットフォームに統合されています。


南アフリカはまた、OA2020、African Journals Online、African Open Science Platform、AfricArXivなど、様々な国際的なOAイニシアチブにも参加しています。


Academy of Science of South Africa(ASSAf)が2023年に発表したブリーフィング文書では、OAの次なる方向性が示されています。同文書において、主要機関は全ての南アフリカ人研究者・学生が研究成果にアクセスできる環境の確保を約束しています。


▼詳細については英文記事「Open Access in South Africa」をご覧ください。


韓国

韓国には強力なOAコミュニティが存在し、近い将来に政府政策による支援が得られる見込みです。1990年代以降、韓国政府はインフラとサービスへの投資を行ってきました。しかしながら、OAやオープンデータに関する包括的な国家政策は未だ存在していません。


共同組織「Open Access Korea」は、多様な方法でコミュニティを支援しています。その影響力は、2021年に開催された「Korean National Open Access Policy Forum」において顕著であり、こちらが転換点となりました。同フォーラムは、このテーマに関する初の国家レベルの議論の場となりました。


また2024年からは、韓国人研究者がEUのHorizon Europe助成金に申請可能となっています。同プログラムでは全研究成果のOA公開が義務づけられており、この参加は政府が研究・イノベーションシステムを国際的に開放する広範な目標を反映しています。


現在、科学技術情報通信部はOA義務化の検討を進めています。したがって、近い将来に何らかの政策または義務化が導入される可能性が高い状況です。


▼詳細については英文記事「Open Access in South Korea」をご覧ください。


スイス

スイスは、国内主要研究資金提供機関であるSwiss National Science Foundation(SNSF)の支援を受け、「swissuniversities」という組織の下で運営される分散型の教育・研究システムを有しています。これらの機関は複数の言語が存在する学術コミュニティを統括し、OAに関する協力を促進しています。


スイスは強固なOA基盤を構築し、自由に利用可能な学術研究の出版を急速に増加させてきました。さらに、EU加盟国ではないにもかかわらず、EUと緊密に連携しています。


2024年には改訂版Open Access Strategyを発表し、2032年までに公的資金による科学出版物の完全な無料公開を目指しています。出版物は機械可読形式で即時公開され、無料かつエンバーゴなし、オープンライセンス下での提供が義務づけられます。具体的な実施方法は研究者や機関の裁量に委ねられており、戦略では行動計画を提示せず多様性を促進。各主体が個別にオープンサイエンスを推進するよう促しています。


スイスにおけるOAは、その基盤と要件を洗練させる過程で、高等教育機関やその他の団体、そしてEUとのさらなる連携が期待されます。


▼詳細については英文記事「Open Access in Switzerland」をご覧ください。


スペイン

スペインは、Plan Sの一環として、OAに基づく研究成果とデータに立脚した研究モデルへの移行を推進するPlan Sを支援することを目指しています。2023年、スペイン政府は初の国家オープンサイエンス戦略を承認しました。この4カ年計画には年間2,380万ユーロの予算が計上されています。インフラと適切な管理体制の確立、公的資金による科学出版物においてOA化をデフォルトとする取り組みの推進を目的としています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Spain」をご覧ください。


トルコ

トルコはOA出版のための強固なインフラを有し、OA化の要件を段階的に強化しています。


2018年、トルコ議会はすべての学位論文を公開することを義務づけました。


2019年にはトルコ科学技術研究会議「TÜBİTAK」がオープンサイエンス政策を導入しました。この政策では受理された論文のOA化を義務づけ、データの公開共有も推奨しています。


科学研究機関「ULAKBIM」は以下の貴重なインフラとサービスを提供しています。


  • APERTA:国家データリポジトリ

  • HARMAN:国家メタデータセンター


トルコはまた、Horizon EuropeやOpenAIREといった欧州のイニシアチブに参加し、資金調達と重要なインフラへのアクセスを提供しています。


トルコのオープンサイエンスに対する強固なインフラと、OA成果物の増加傾向は、研究成果をすべての人に公開するという同国の取り組みを反映しています。


▼詳細については英文記事「Open Access in Turkiye」をご覧ください。


イギリス

2022年、UK Research and Innovation(UKRI)は全研究評議会に単一のOA政策を導入しました。これにより査読論文は即時OA化が義務づけられました。一般的に、UKRIはPlan Sに沿った方針を採用しています。ただし、UKRIはPlan Sよりも先行しており、2024年1月1日以降に発表される単行書(モノグラフ)、書籍の章、編著書については、12ヶ月以内にOA化することを義務づけています。


さらに、2023年には、英国がHorizon Europeに再参加するための新たな合意が成立し、英国の科学者が世界最大規模の研究協力プログラムにアクセスできるようになりました。これらはすべて、2030年までに科学技術超大国となることを含む、現在の英国政府の目標「より良い復興(Build Back Better)」と連動しています。主要な資金提供機関がOA要件を継続的に強化していることから、英国におけるOAの文化を維持することが、この目標達成の核心となります。


▼詳細については英文記事「Open Access in the UK」をご覧ください。


アメリカ合衆国

2011年以降、米国では購読制ジャーナルに掲載される論文の割合が減少傾向にあります。一方で、米国のOAは成長を続けており、特に米国政府が2025年末までに米国政府資金による研究成果の全てをOA化することを義務づけたことで、その成長は急加速しました。これは、科学的発見の加速と、あらゆる人々が研究成果にアクセスする障壁の低減を目指す米国の政策を反映したものです。


▼詳細については英文記事「Open Access in the USA」をご覧ください。

bottom of page