MDPI Japanの舞台裏:社員が答える30問 (1)IOAP担当者
- 3月3日
- 読了時間: 9分

MDPI Japanで働く私たちは、日々、研究者の皆様からのご相談や投稿に関するお問い合わせ、大学図書館の方々との打ち合わせなどを通じて、学術出版の現場に関わっています。
その一方で、「MDPIって実際どうなの?」「中の人は何を考えているの?」という声をいただくことも少なくありません。
そこで今回、社員に30の質問をぶつけてみました。
良いことも、耳の痛い話も、できるだけ率直にお答えします。
第1弾はIOAP担当の社員Sに聞いてみました。
目次
Q3: MDPI Japanで働いていて、いちばん楽しい瞬間はどんなときですか?
Q4: 入社前のMDPIの印象と、入社後で変わった点はありますか?
Q6: 自分の仕事が研究者や読者にどう役立っていると感じますか?
Q10: MDPIの査読・編集プロセスで、外からは見えにくいけれど重要だと思う点は?
Q11: 批判的な声を見たとき、社内ではどう共有・検討されますか?
Q12: 「ハゲタカジャーナル」と呼ばれることについて、どう考えていますか?
Q14: 印象に残っている著者とのやり取りがあれば教えてください
Q17: APC(論文掲載料)について、誤解されやすい点は何ですか?
Q18: IOAPなどの割引制度を説明するときに意識していることは?
Q19: 研究不正チェックについて、一般に知られていない取り組みはありますか?
Q20: 編集部やスイス本社とのやり取りで、文化の違いを感じる瞬間は?
Q22: MDPIでの仕事はキャリア観にどんな影響を与えましたか?
Q23: 研究コミュニティとの関わりで大切にしていることは?
Q24: 「ここはもっと知ってほしい」と思うMDPIの取り組みは?
Q27: 今後MDPI Japanが強化すべきだと思うことは?
Q28: これからMDPIに投稿を検討している研究者へひと言お願いします
Q1: 入社年を教えてください
A1: 2025年です。まだ新米です。
Q2: 担当している業務について教えてください
A2: 機関オープンアクセスプログラム「IOAP」を中心にマーケティング業務に携わっています。学術集会にブース出展する際にはブースにも立っています。
Q3: MDPI Japanで働いていて、いちばん楽しい瞬間はどんなときですか?
A3: 大学図書館様がIOAPへのご参加を決められたときです。「やったー!」と毎回オフィスで飛び跳ねています(本当です)。
Q4: 入社前のMDPIの印象と、入社後で変わった点はありますか?
A4: 世界的な大企業なので、いろいろなことが硬直した冷たい感じなのかなと勝手に想像していましたが、意外と柔軟なので驚きました。ただ当たり前ですが、厳しいところは厳しいです。ルール厳守など。
Q5: 「MDPIらしさ」って何だと思いますか?
A5:スピード感がものすごくあるところだと思います。まだまだ追いつくのに必死です。
Q6: 自分の仕事が研究者や読者にどう役立っていると感じますか?
A6: 選択肢の提供です。
MDPIのジャーナルがすべての分野でトップジャーナルだとは思っていません。ただ、トップジャーナルだけが研究発表の場ではありません。特に若手研究者の方にとっては、最初の英語論文投稿の場として、スピード感のある査読プロセスは大きな意味があると思っています。複数の選択肢があること自体が、研究環境にとって健全だと考えています。
Q7: 著者からよく来る質問はどんなものが多いですか?
A7: 日本支社にいただくご質問で多いのは、「支払い期限の延長ができるかどうか(専用フォームよりご連絡いただくことで可能です)」ですね。支払い関係が一番多いようです。
Q8: 図書館員・研究支援担当からよく来る質問は?
A8: その大学所属の研究者がよく投稿されているMDPIジャーナル名や分野、論文掲載料(APC)の年間総額などです。思いのほか多く投稿されていることに驚かれる場合が多いです。
Q9: 「これは誤解されがちだな」と思う点は何ですか?
A9: オープンアクセスモデルでは、読者は無料で論文を読むことができ、その代わりに著者にAPCをご負担いただきます。購読料という形では費用を取っていません。この仕組み全体を見ずに「高額な費用を請求する会社」とだけ受け取られてしまうことは残念に感じます。
Q10: MDPIの査読・編集プロセスで、外からは見えにくいけれど重要だと思う点は?
A10: 「きちんと査読していない」といった誤解を目にすることがありますが、実際には査読前のプレチェックも含め、複数の工程を経ています。剽窃検出ツールの活用やガイドライン整備も進んでいます。AI利用についてもポリシーを明確にしており、一定のチェック体制を敷いています。
Q11: 批判的な声を見たとき、社内ではどう共有・検討されますか?
A11: 日本支社内だけでなく、スイス本社にも社内ツールで共有されます。入社時の研修で、「褒め言葉だけではなく批判的な声にもきちんと耳を傾けろ」ということを全社員学びます。
Q12: 「ハゲタカジャーナル」と呼ばれることについて、どう考えていますか?
A12: 正直に言えば、悲しいです。
MDPIで日々努力している編集者や、時間を割いて査読してくださる研究者の先生方のことを思うと、その言葉は軽くないと感じます。一方で、批判があるという事実も真摯に受け止める必要があると思っています。
Q13: 著者からのクレーム対応で大切にしていることは?
A13: 本社担当者との間に入り、スムーズにやりとりが進むようサポートしています。
Q14: 印象に残っている著者とのやり取りがあれば教えてください。
A14: MDPIに初めて投稿された先生のお話を伺った際、「社内編集者にいろいろ要望を言ってしまったら、査読結果に影響してしまうのではないか」とご心配されていたことがあります。「社内編集者は査読など、学術的判断には一切関わらないので問題ないですよ」とお伝えしたら安心されていました。
Q15: MDPIの強みは何だと思いますか?
A15: 仕組み化だと思います。業務プロセスが明確に設計されており、一定の品質を保ちながら運営できる点は強みです。また、創立以来オープンアクセスを一貫して採用していることも特徴だと感じています。
Q16: 研究者にまず読んでほしいMDPIの情報ページは?
A16: MDPI Editorial Processです。
Q17: APC(論文掲載料)について、誤解されやすい点は何ですか?
A17: 「意味もなく高額」「毎年自動的に値上がりする」という誤解です。
APCは編集・査読管理・制作など、出版に必要なコストをカバーするためのものです。編集体制の拡充などに伴い価格改定を行うことはありますが、毎年一定率で機械的に値上げしているわけではありません。
Q18: IOAPなどの割引制度を説明するときに意識していることは?
A18: 「IOAPは純粋な割引制度であり(何も売りつけたりしません)、大学図書館様に追加作業のご負担をお掛けするものではない」ということの説明を明確にするように心がけています。
Q19: 研究不正チェックについて、一般に知られていない取り組みはありますか?
A19: iThenticate(剽窃検出)ツールなどを活用した自動チェックと手動チェックを併用しています。人間の判断を必ず組み込むようにしています。
Q20: 編集部やスイス本社とのやり取りで、文化の違いを感じる瞬間は?
A20: クリスマス休暇で12月中旬以降、すべてがストップするのが毎年怖いです(反対に向こうは「日本は年末年始休暇が長すぎる」と思っているかもしれませんが……)。
Q21: 仕事を通じて一番成長したと感じるスキルは?
A21: マルチタスクスキルです。いろんなことを同時並行で動かす必要があるので。
Q22: MDPIでの仕事はキャリア観にどんな影響を与えましたか?
A22: 問題や悩みがいろいろあったとしても、前へ進むことで見える景色が変わってくると感じています。あと世間的な評判って事実でなかったり、古い情報に基づくことも多く、あまり当てにならないということも再確認しました。
Q23: 研究コミュニティとの関わりで大切にしていることは?
A23: 率直で誠実なコミュニケーションを大切にしています。厳しいご意見も真剣に受け止めます。建設的な対話を通じて改善につなげたいと考えています。
Q24: 「ここはもっと知ってほしい」と思うMDPIの取り組みは?
A24: 各ジャーナルがアワードを出しています。国際学会出席に向けた旅費支援などがあります。詳しくはアワードページをご確認ください。あとMDPIでは、査読にご協力いただいた先生方にバウチャーをお送りしています。こちらもぜひご活用ください。
Q25: 日々の業務で意外と地道だと思う作業は?
A25: レポート作成です。「データに基づく意思決定」と聞くとかっこいいですが、データまとめるの割と大変です。
Q26: 1日の仕事の流れを簡単に教えてください
A26: 午前中:スイス本社との時差があるので、夜に来ているメールやチャットメッセージに目を通し、返信する
午後:支社内ミーティングや日本支社独自活動など
夕方:スイス本社とのオンラインミーティングなど
Q27: 今後MDPI Japanが強化すべきだと思うことは?
A27: MDPIに関する正しい情報発信です。
Q28: これからMDPIに投稿を検討している研究者へひと言お願いします
A28: 適切な投稿先ジャーナルを選ぶにあたっては、Journal Finder をご活用ください。もし日本語でのサポートが必要な場合は、お気軽に日本支社までメールにてご相談ください。
Q29: あなたにとってMDPI Japanとはどんな職場ですか?
A29: メンバーそれぞれの得意分野が異なるので、戦隊ものみたいで面白い職場だと思っています。私はカレー好きなんでキレンジャーですかね……(古いですね)。
Q30: この仕事をしていなかったら、今ごろ何をしていると思いますか?
A30: 私は海外でうろうろしていることが多かったので、今ごろ海外をさすらっていたと思います。この仕事は日本にいながらして海外の同僚とやりとりできるので、さすらう必要がなくて良いですね。
今回はIOAP担当の社員Sの回答をお届けしましたが、次回はまた別の担当者に登場してもらいます。MDPI Japanの「舞台裏」を、少しずつお伝えしていきます。


