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MDPIの30年:著者向けサービスの歩み

  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

(※本記事はmdpi.comの英文ブログ記事「30 Years of MDPI: How Author Services Have Evolved」を翻訳したものです)


1996年の創業から30年、MDPIは世界有数のオープンアクセス学術出版社へと成長してきました。2025年だけで26万本の論文を刊行し、英語を母語とする著者にも、そうでない著者にも、論文の準備から投稿までを支える体制を広げ続けています。


こうした著者支援の要となっているのが、著者向けサービス(Author Services)部門です。英文校正、専門分野に応じた知見、構成や論旨の技術的な調整を提供しています。


MDPIの30周年にあたり、本記事ではMDPIと著者向けサービス部門の出発点を振り返ります。これまでの節目をたどりながら、変化の速い学術出版の環境のなかで、この部門が今後どこへ向かうのかも見ていきます。


MDPIの出発点


MDPIは、1996年にスイス・バーゼルで設立されました。当初は、化学化合物サンプルの多様性を保ち、研究目的で科学コミュニティが利用できるようにすることを目的としていました。


同じ年に学術誌Moleculesが創刊され、MDPIは1997年にこれをオープンアクセス誌として正式に引き継ぎました。それ以降、MDPIの扱うジャーナルは500誌を超える完全オープンアクセス誌へと広がっています。最新の引用指標を見ても、MDPIの刊行物が継続して評価されていることがうかがえます。


2025年時点では次のとおりです。


  • Scopusに収載されているジャーナル:365誌

  • 314誌が、少なくとも一つの分野カテゴリーで上位50%(Q1・Q2)にランクイン。うち178誌がQ1に入り、さらに42誌は分野別で上位10%に位置

  • 234誌でCiteScoreが上昇し、41誌が初めてCiteScoreを取得

  • 52誌で、いずれかの分野カテゴリーの四分位区分が上昇


30年にわたる着実な成長のなかで、MDPIの編集部門も拡大し、出版に至るまでの著者支援をいっそう充実させてきました。


著者向けサービスの開始


MDPIの編集体制が広がるうえで重要な転機のひとつが、2016年の著者向けサービスの開始でした。オープンアクセスと学術出版の国際化が進むにつれて、英語を母語とする著者からも、そうでない著者からも、英文校正や専門編集への需要が高まっていきました。著者向けサービスは、この需要に応え、学術コミュニティを支えるために設けられました。MDPIのジャーナルに投稿する場合でも、他の出版社に投稿する場合でも利用できます。


著者向けサービスが他の編集サービスと一線を画そうとしたのは、対応の速さでした。開始当初、英語編集サービスは48時間という納期を保証していました。これにより、著者は投稿の過程でほとんど待たされずに済みました。


その後の数年で、著者向けサービスはより幅広く、専門性の高い編集サービスを目指して対象を広げていきました。部門の発展をたどるうえで、主な節目を挙げます。


主な節目


2018年

  • レイアウト編集サービスの提供を開始(納期1営業日)。MDPIのジャーナルでの出版に向けて、投稿された論文を整える編集です。参考文献の書式を整え、情報の不足がないかを確認します。フォントや数式、段落の行間を見直し、全体の体裁を改善します。

  • 専門分野の知識を持つ編集者が論文の科学的な側面を確認しコメントする、Specialistサービスを導入。

  • 著者向けの教育動画コンテンツを初めて公開。第1回MDPI Writing Prizeも開催。


2019年

  • 盗用チェックサービスを導入。文章の重複や盗用の可能性を示すレポートに加え、修正すべき箇所や引用を補うべき箇所についての助言を著者が受け取れます。

  • 図表編集サービスを導入。研究内容を明快に伝える、出版可能な水準の図表を作成します。色合いや濃淡、サイズ、解像度、枠線、フォント、ファイル形式を見直し、チャートやグラフ、表を仕上げます。当初は2営業日でしたが、その後、納期は1営業日に短縮されました。


2021年

  • 最もご利用の多い英文校正サービスであるRapid editingを確立。これまでの48時間に代えて、著者が期待する質の高い校正を24時間以内にご提供しています。一方で、時間に余裕があり費用を抑えたい著者に向けて、Regular editingの納期は5日に変更されました。


2023年

  • RapidおよびSpecialist editing(Academic editingに改称)の利用者向けに、付帯サービスを開始。査読者への回答やカバーレターの編集を無料で受けられるほか、最初のサービス完了日から365日以内であれば、回数の制限なく無料での再編集を依頼できます。


2025年

  • 累計ご利用件数が10万件に到達。

  • グラフィカルアブストラクト・サービスを導入。専門のデザイナーチームが、研究の主旨を明快に示すグラフィカルアブストラクトを個別に制作します。

  • ビデオアブストラクト・サービスを導入。研究論文の内容を、SNSにそのまま使える短い映像にまとめます。研究の主な成果と意義を、動きのある形でわかりやすく紹介します。


変化の速い学術環境のなかで大切にしていること


MDPIの著者向けサービスは、この10年で大きく進化してきました。同時に、学術出版を取り巻く環境も変わってきました。


AIの進歩が速いこの時代には、編集サービスが柔軟に動きながらも、論文の準備において人を中心に据えた姿勢を保つことが大切です。


著者向けサービスでは、英語の専門家と分野の専門家が、言語・文法・技術面の確認の最前線に立っています。


世界各地の120名を超える専任編集者の体制で、一つひとつの論文を効率よく処理しています。Rapidでの依頼の88%は、10時間以内に著者へお返ししています。


博士号を持つSpecialist editorは、生物学・生命科学から環境・地球科学まで、さまざまな分野の専門家です。


世界の学術コミュニティを支える


重要な研究成果は、広く誰もが自由に利用できるべきだとMDPIは考えています。そして、優れた研究は、英語を母語としない研究者によっても行われています。著者向けサービスによる著者支援が充実すれば、それだけ多くの研究者が、生まれ育った言語ではない言語でもオープンアクセスでの出版に踏み出せます。


英語を母語としない研究者はもちろん、母語とする研究者にとっても、論文の準備に専門の編集サービスを頼ることもできます。どのサービスが必要か迷う場合は、こちらの記事が判断の手助けになるかもしれません。




MDPIの著者向けサービスは、研究者が論文を出版に向けて仕上げる過程をお手伝いしています。Academic Editing Serviceでは、論文の準備段階で分野ごとの専門知識と技術面の細やかな調整を提供し、出版前から出版後まで著者を導きながら、論文の科学的な内容と構成の改善を後押しします。このサービスには、論文で使われる用語の確認も含まれます。


MDPI30周年を記念して、2026年8月30日までの期間限定でRapidおよびAcademic Editing Serviceを30CHF(スイスフラン)割引でご利用いただけます。ご注文の際に割引コード「MDPI30」を入力すると割引が適用されます。無料見積もりはこちらから。


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